2005年9月15日 (木)

ランチェスター戦略(3)-効率-

 わたしが竹田陽一氏を高く評価する大きな理由は言っていることが現実的であり具体的であることだ。少なくともわたし自身にとってはそのように思える。

 たとえば仕事の進め方について市販の本にはほとんどこう書かれてある。「仕事は優先順位の高い順番にやるようにすれば効率が上がる。80-20の法則に従って重要な20%を優先させれば効率よく仕事ができて余裕も生まれるというものだ」

 それに対して竹田氏は優先順位が高いかどうかこれが分かる人は戦略実力の高い人であって多くの人はそうではないという。80-20の法則にしても何回も繰り返される仕事なら妥当するかもしれないが、零細企業や個人が一生の内、1回か2回しか行なわないことに80-20の法則は適用できないという。

 わたしは全くその通りだと思う。一般に言われていることが間違っているのではなく自分に適用できるかどうか冷静に考えないと思わぬ落とし穴にはまってしまう。世の中には頭のいい人、能力のある人がいるかもしれないが、ほとんどの人はそうではないはずだ。だから仕事は最初から効率を求めるのではなく、ある程度、量をこなすことが大事である。(実はその道のプロといわれている人は成功したあとでも相当の量をこなしている。ただ表面に出ない、出さないだけである)それからあと徐々に効率を上げる、というのがわたしの経験からも正しい手順というものだろう。

 これは仕事だけでなく勉強でも趣味の世界でもいえることだ。書店に並べられている本のタイトル「効率よく~する」は読んでも良いが初心者がやる方法ではない。

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2005年8月29日 (月)

壮大な徒労

  それから矢部氏はイギリスの哲学者ラッセルの話しを引用している。
A、Bという2台のソーセージを作る機械があった。A機械はソーセージ作りに情熱を注いでいた。B機械はソーセージを作ることに意味があるのか自分に問い始めた。その結果答えは否定的だった。やがて自分の心の探究を始めた。その結果、何もかもが無意味であるという結論に達してソーセージ作りも全て止めて途方に暮れてしまった。

 矢部氏はいう
 自己探求をしたり懊悩することは知的作業としては意味があっても現実の生き方としては壮大な徒労である。知的探求は学者に任せていおけばよいのであり、われわれはもっと心を外に向けて人生に興じなければならない。

 わたしは矢部氏がどういう人物であるかよく分からない。この本以外に読んでいないのであるから何とも判定のしようがないのであるが、この本に書いてある限り大いに共感を持つのである。

 私は今でも若い人たちにこのたとえの話しをする。若いころは自己探求に何か大きな意味があるものという幻想を覚えるものである。やはり私は矢部氏が言うように「自己探求をしたり懊悩することは知的作業としては意味があっても現実の生き方としては壮大な徒労である。」と話すようにしている。

 もちろんそれでも探求を続けるならばそれも一つの人生であろう。ただ幻想であることに気づいて意味のある別の目的に情熱をそそぐ契機になればそれはそれで前途ある若者に親切を施したことになると思うのである。

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軽やかなニヒリズム

  ここに一冊の愛読書がある。いつも座右において読んでいるわけではないが、なぜか精神的な疲れを感じたときに開く本である。矢部正秋 著「よい人生を生きる智慧」  産業能率大学出版部 発行

 矢部氏は若いころ東西の古典を読みあさった。東洋のそれはあまりに情緒的であり人生に立ち向かう糧にはなり得ない。その点、西洋の人生論は一種の技術志向であり日常の生活体験を集積し、分析し、抽象化するのに優れていると思った。西欧の古典を読んでいる内に一つの確信に達した。それは「軽やかなニヒリズム」という生き方である。

 そういえば漱石は草枕の冒頭で「知に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい」と書いているが似たようなことを思ったのだろう。

 ニヒリズムは虚無主義であるから意味がないのではなく、考えて考えて、考え抜いた末に一つの結論に至る。要するに絶対的な真理はないのではないか、そうであるならその真理を自分の意志で作り上げてゆこうと考え始める。これは別に私の発明でもなんでもない。ニーチェをはじめ多くの哲学者、文学者が言っていることだ。残念ながらわたしはそこまで究極的な結論を出すほどの力も勇気もない。ただ何となく理解できる。そういう心情が私なりに解釈する「軽やかなニヒリズム」である。

 そして矢部氏はいう
 どんなに苦しくても人間の苦しみは人間の知恵で解決する以外に方法はない。・・ネガティブな人生観は人を救うことができない。かといって単なる楽天的人生観も過酷な人生の実相に太刀打ちできない。だから、われわれは人生を光と影の両面を見すえたうえで、肯定的な人生観を求めなければならない。

 なお上記の本「よい人生を生きる智慧」をアマゾンで検索したが注文不可(絶版か)になっていた。

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2005年8月23日 (火)

本は自分の価値観を反映している

hondana   その人がどういう人であるか本棚を見るとよい。同様に自分の本棚は自分がどういう人間であるかを表している。1冊、2冊はその時の気まぐれかもしれないが何年もかかって集めたものはその人の価値観を表し、その人の考え方、行動に影響を与えているといって間違いないだろう。

  先日、思い立って本棚の整理を始めた。1冊、1冊手にとって行くとその本を読んだときの状況がいろいろ思い出されるのである。ヘーゲルの「歴史哲学」など二十歳代前半に読んでいる。よくぞこんな本を、とわれながらほほえましくなる。最近はというと情報整理とか時間管理の本、いわゆるビジネス書とかハウツーものというわりに軽い本が多い。別にハウツーものが悪いわけではないが若いころに比べるとずいぶんとやわになったものとまた苦笑する。

  こんな調子だから本来の本の整理は一向に進まない。見かねたアシスタントがアトランダムに本棚に収納していってあっという間に片付いた。本に対する思い入れが強いと整理は行き届かないという教訓である。

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2005年8月16日 (火)

量をこなすこと、繰り返すこと

 量をこなすこと、繰り返すこと、記録を残すことが能力がふつうかそれ以下の人が人並み以上の成果を上げるもっとも基本的な方法である。よく市販の本には「効率を上げるために優先順位の高い仕事から手をつけてゆくこと」が提唱されている。このことを否定するものではないが落ち着いてよく考えれば、効率を上げるためには経験とそれ相応の能力が必要だからだれでもできることではない。またどれが優先順位の高い仕事であるか分からないから苦労しているのである。それが分かること自体が能力のある証拠であるから能力の低い人にできるものではない。

 ではどうするか初歩の段階(実際はそのあとの高い段階でも)では量をこなすこと、繰り返すこと、記録を取ること、であり最初から効率を求めない方がよい。

 知的生活の基本は読書だが年間百冊以上読み続けることが必要ではないか。そのためにはつべこべ言わずに継続して読み続ける仕組みが必要だ。意志と努力も必要だが普通の人間の意志などそんなに強いものではない。どうするか。環境に配慮することだ。たとえば電車通勤している人は読書以外にあまりすることがないから本を読むだろう。これがヒントである。「本を読む以外に他にすることがないように自分を追い込むことである」。

 パソコンのない環境に一定時間自分をおくことを真剣に考えるべきである。パソコンがあるとつい目的もないのにあっちこっちホームページを見てしまう。市販の本には「必要のないホームページは見ないこと」と書いてあるが、わかちゃいるけどつい見てしまうのが普通の人間である。そのためには、わたしは「見ようにも見られない環境に自分をおくこと」が重要だと思う。これは自分がいかに意志の弱い人間であるか告白しているようなものだが。

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2005年8月 6日 (土)

使える英語のためのコツ(2)

borders

ウソでも良いから英語を物にしたいと熱望している方々へのわたしの経験を紹介します。
英検やTOEICの点数を上げたい、仕事で必要といった方々は対象外です。

(アメリカ書店巡り)
前回書いたように書店に初心者が読みたくなるような本がなかったというのが私の経験です。もちろんペンギンリーダースのような良書もありましたが、こちらの好奇心を満たすという点では不十分でした。そこでインターネット書店のアマゾンから買うようになる以前、アメリカに行く機会にアメリカの書店巡りをしました。

アメリカではバーンズアンドノーブルスとボーダーズの2大書店が全国展開しているそうです。そういうところで子供コーナーに行くと日本と同じで科学物、歴史物、小説などがありました。あまりに当たり前といえば当たり前なのでしょうが日本の書店の洋書コーナーにはなかったのですから何だか新鮮か感じがして大量に買い求めたものです。ただしお金とスーツケースのスペースには限界がありましたが。またあちこちの博物館、観光地に行ったときに観光ガイドやパンフレットの類も購入しました。

(読書量が爆発的に増える)
そういうことで興味のある本を買ったのですから帰りの飛行機の中からどんどん読んでいきました。それまで年間せいぜい30冊から50冊だった洋書の読書量が爆発的に増え始めました。興味本位と実際自分がそこに行ったという親しみからあきることはなく、逆に大量の読書の結果買い込んだ本が瞬く間に底をついたのでした。

(インターネット書店アマゾンで検索してみる)
一種の禁断症状を呈してきました。それで買ってきた本がアマゾンにないか調べてみたのです。そうするとなんとなんとわたしがアメリカで買い込んできた本の大半がアマゾンにあり購入できることがわかったのです。わたしが数十万円かけてアメリカに行ったことがムダだったとはいいませんが結果はそういうことだったのです。それから注文をどんどん入れてゆきました。値段は現地で買う値段の5割り増しくらいですがいくら何でも飛行機賃よりは安いでしょう。こうして前回書いた(おもしろい本をどこで探すか)(インターネットショッピングのコツ)になるわけです。

(興味のあるジャンルを作る)
最初の頃、Hinemann とい出版社の伝記物などシリーズ物を注文してゆき、興味あるジャンルと相性のいい出版社をつくってゆきました。前回も書いたように失敗もありましたがそれは良い本と出会うための必要経費と割り切ってゆきました。ちょっと怖くなりますが1冊1000円として100冊では10万円になります。つまり数十万円を本の購入費に充てたことになります。これが高いか、安いかは各人の価値観になるのでしょうが語学の学習では、いや他の学習、遊びでもそれ相応の金が必要なことは確かなようです。

(アマゾンを持ち上げるわけではありませんが)
ですからアマゾンを持ち上げるわけではありませんがわたしにとってインターネット書店アマゾンがなければ大量の洋書を読むことはなく一生手にすることのなかったのではないかと思っています。わたしはインターネットを万能とは思わない人間の一人ですが、インターネットの良い面、機能を上げるとすればメールとブログとインターネット書店ではないかと思っているのです。

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2005年8月 4日 (木)

使える英語のためのコツ

berlinpoli

 だれがなんと言おうと私は「英語は難しいものだと」断言する。もっと正確に言えば日本語を含めて語学というものは難しい学問だということだ。日本人 は学校で何年も勉強するのにあいさつひとつまともにできないといわれる。だから英語教育がまちがっている、という論拠にされる。わたしはこれらの意見を否定するものではないがそれよりこの現実をすなおに見る限り「英語は難しいものだ」という事実を表しているだけのことではないか。わたしはお世辞にも英語ができる種類の人間ではない。それゆえにわたしの体験が英語初心者、難民には役に立つのではないだろうかと思うのである。

(読む能力が重要)
 英語のなかで一番重要な能力は何なのかと考えると世の多数派とは違う意見かもしれないがやはり読む能力だと思う。2番目が聞く能力だろう。あとの話す、書くは重要でないとは言わないが読む、聞く能力があれば自然についてくるのではないか。

(読む能力をいかにつけるか)
 さて読む能力をいかにつけるかということだがわたしの経験からは子供向けの本を大量に読むことが有効だと思う。インターネットを調べるとそれを実践している人たちがおられるようであるが私は自分の経験からそう思うのである。大量に読むことを継続する秘訣はおもしろい本を読むことである。もちろん「おもしろい本」は個人によって違うので具体的に言うことはできない。私の場合科学の本、歴史物、伝記、各国の案内などを読んでいる。子供の本と言っても小学校の上級生くらいになるとかなりのレベルになるので大人が読んでも違和感はなくいろいろ勉強になる。

(大量に読む)
 「大量に読む」とは具体的にどれくらいのことを言うのかというと平均50ページくらいの本を年間で百冊から二百冊くらいだ。初心者はこの数字に驚かされるかもしれないが慣れてくれば実行可能である。私の場合三百冊読んだあたりから英語がぐんと身近に感じられるようになった。それ以前に英字新聞も半分見栄で購読していたときがあるが単語力はある程度ついたかもしれないが初心者に有効とは思えない。コツはおもしろい本を大量に読むことである。好奇心を行動のエンジンにすることだ。

(おもしろい本をどこで探すか)
 洋書を扱っている書店には子供コーナーがある。しかし残念ながら私の興味を引く本は本当に少ない。今さら言うほどのことでもないがインターネットショッピングに「AMAZON(アマゾン)」がある。ここで「洋書」をクリックしてチルドレンズを選択して以下ジャンルを絞り込んでゆく。チルドレンズブックには対象年齢が表示されるのでこれを参考にすると良い。わたしは12歳向けをよく読んでいる。プライドが許さないかもしれないがこれくらいだと辞書はほとんどいらない。レベルもそう低くない。場合によっては8歳向けの本も読むこともある。実際に購入するためには最初に会員登録が必要である。

(インターネットショッピングのコツ)
 まず多少の失敗を許容することだ。書店では実際読んでみて購入するかどうか決めるがネットショッピングの場合それができない。はっきり言ってそれを許容することがコツではないかと思う。最初の頃自分が予想していたのと全く違う本が届いて苦笑いしたものである。ある時など「イギリスのお城」という本を注文したら塗り絵の本だったということもある。しかし失敗はだんだん少なくなってきた。理由はおもしろい本に出会ったとき同じシリーズの本を注文したり同じ出版社や同じテーマの本を注文していったのでアメリカやイギリスの出版界の事情が薄々わかってきたからだ。日本では岩波文庫はどんな本、ブルーバックスは科学系とか新潮社はこういう系統の本を出版するとか知っているがアメリカやイギリスの出版界の事情が薄々ながらわかってくるということなのだろう。

以下次回に続く

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