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2005年8月12日 (金)

薩摩焼きの沈寿官に会う

chinjyukan

 先日、薩摩焼で有名な鹿児島県東市来町、美山の沈寿官窯に行ってきた。沈寿官は薩摩焼きの宗家として知られている。現在では15代が当主になっているので、14代沈寿官さんはすでに「先代」となっている。わたしがなにげなくギャラリーを覗いたとき沈寿官先生は何やら書きものをされていた。

 「失礼ですが先代の沈寿官先生ではありませんか」と話しかけると「そうです」と答えられた。まさかこんなところでばったりと会うとは思ってなかったので、何から話していいかとまどったが、とりあえず

「司馬僚太郎さんの『故郷忘じがたく候』に出てくる沈寿官という人は先代(13代)のことなんですか」とたずねると

「いえ、あれは私のことです。もっとも今では私も先代になってしまいましたが」
「そうしますと、先生は司馬僚太郎さんとは懇意にされていたのですね」
「無二の親友でした」

 短い時間だったが薩摩焼きの歴史や15代のこと、最近の作品の傾向や韓国の「沙也加」のエピソードなどわたしも多少の興味を持っていたので緊張しながらも何とか話しができた。そうこうしているとこどもたちが入ってきた。沈寿官先生は
「まず、お客さまにあいさつしないといけないだろ」
 この時ばかりは先生もかわいい孫たちの前で人の良いおじいちゃんにしか見えなかった。そして、日本だけでなく世界に知られた14代、沈寿官先生の素顔を見たような気がした。

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